【アイビスサマーダッシュ2026】追い切り徹底分析|連覇へさすがのピューロマジック、鞍上乗り替わりも死角なし
2026年8月2日(日)15時45分発走、新潟競馬場・芝1000メートル(直線)で行われる第26回アイビスサマーダッシュ(GⅢ・3歳上・別定)。JRA唯一の直線競馬、いわば「日本最速レース」に、東西のスピード自慢が集結しました。枠順による有利不利が大きいこのレースは、最終追い切りでの状態面のチェックが極めて重要になります。それでは、有力各馬の追い切り内容を1頭ずつ詳しく見ていきましょう。
なお、当初ピューロマジックに騎乗予定だった松山弘平騎手が右足負傷のため今週の騎乗を見合わせることになり、ピューロマジックは田辺裕信騎手とのコンビで臨むことになりました。
ピューロマジック(牝5歳・安田翔伍厩舎/田辺裕信)
連覇を狙う快速女王は、追い切りでもさすがのスピード感を見せ、王者らしい万全の仕上がりを維持しています。坂路を主体とした調整で好時計をマークし、しまいまでしっかりと伸びる好内容。前走の函館スプリントステークスを逃げ切って以降も好調をキープしており、状態面に不安を感じさせる要素はありません。
昨年のこのレースでは、コースレコードタイの53秒7をマークして優勝。その実績馬が、順調に最終追い切りを消化してきた点は、大きな安心材料です。安田翔伍調教師が「息を入れて走れるようになった」と語る通り、レースセンスの成長も見られ、差しても逃げても勝てる自在性を身につけています。
当初想定されていた松山弘平騎手が右足負傷で乗り替わりとなり、今回は田辺裕信騎手とのコンビで臨みます。とはいえ、この馬自身の能力とスピードは現役屈指で、鞍上が替わっても中心的存在であることに変わりはありません。史上3頭目の連覇がかかる大一番に、万全の態勢で臨みます。追い切りからも王者の貫禄がうかがえ、あとは枠順とスムーズな競馬ができるか次第です。
エコロレジーナ(牝6歳・菊沢隆徳厩舎/菊沢一樹)
前走の韋駄天ステークスを制した勢いそのままに、状態は良好です。当レースに照準を合わせた仕上げが施されており、追い切りでは好調時と遜色のない動きを見せています。動きの質、時計ともに文句のない内容で、菊沢隆徳厩舎の意図する仕上がりに達しているといえるでしょう。
もともと新潟・芝1000メートルで3勝を挙げている直千巧者であり、コース適性の高さは折り紙付き。前走では先行策から押し切る新味も見せており、レースの幅が広がった点も見逃せません。追い切りの動きからは、その好調を持続できている様子がうかがえます。
前走1着の牝馬という、このレースで好走率5割近辺という好データにも該当する一頭。鞍上は前走に引き続き菊沢一樹騎手が想定されており、馬・鞍上・厩舎すべてが千直を大得意としている点も強みです。復調をアピールした前走からさらに状態を上げてきた印象で、適舞台での重賞タイトル獲得へ態勢は整いました。外枠を引ければ、軸候補の筆頭格として、追い切りの好調ぶりをレースで発揮できるか注目されます。
アメリカンステージ(牡4歳・矢作芳人厩舎/戸崎圭太)
上げ潮ムードの国際派は、最終追い切りで軽快に坂路を駆け上がり、ラスト12秒2をマークしました。陣営は「最近の中では最もいい状態」と評価しており、まさに絶好調での参戦となります。念願の重賞初制覇へ、これ以上ない仕上がりです。
昨秋のブリーダーズカップスプリントでは4着に健闘し、世界のトップスプリンター相手に地力の高さを示しました。今春の韋駄天ステークスでは、57.5キログラムの酷量を背負いながら0秒1差の2着に好走。前走の青函ステークスでもハナ+クビ差の3着と、重賞級のスピードを見せてきました。追い切りの絶好の状態は、その地力を存分に発揮できる裏付けです。
驚異のタフさと天性のスピードを兼ね備えており、パワー型の北米血統だけに、芝が少し渋ればさらに狙いやすくなります。想定される鞍上は戸崎圭太騎手。今回は斤量が軽くなる点も大きなプラス材料で、状態面と条件が噛み合えば、悲願のタイトルは十分に射程圏内です。牡馬という点は割引ながら、「最もいい状態」という陣営の言葉通り、記者の特注馬にも挙げられる上昇機運の一頭です。
テイエムスパーダ(牝7歳・小椋研介厩舎/国分恭介)
重賞2勝の実績馬は、動きが良好で復調をうかがわせます。近走はやや振るわない結果が続いていましたが、追い切りでは往年の動きを取り戻しつつある印象。得意の直線競馬に向けて、状態面は上向いてきています。
かつて芝1200メートルのJRAレコードをマークした快速馬だけに、スピードの絶対値は当メンバーでも上位。追い切りでも、そのスピード能力の片鱗をうかがわせる伸びを見せています。7歳というベテランの域に入りましたが、衰えを感じさせない動きは好材料です。
このアイビスサマーダッシュとの相性は抜群で、過去2年連続で3着、2着と馬券圏内を確保。得意の舞台に、状態を上げて臨める点は心強い限りです。しかも今年は、昨年の1着ピューロマジック、2着テイエムスパーダ、3着ウイングレイテストが揃って出走しており、着順まで再現なら大きな話題となります。想定される鞍上は国分恭介騎手。近走不振で人気を落とすようなら、むしろ狙い目になる可能性もあります。3年連続の馬券圏内、そして今度こその戴冠へ、状態面の上昇は見逃せません。
ウイングレイテスト(牡9歳・畠山吉宏厩舎/松岡正海)
前走からの巻き返しを期す9歳馬は、松岡正海騎手を背に坂路で単走を消化しました。時計は16秒1-14秒3-13秒0-11秒7と、しまいをしっかり伸ばすような好内容。前走を使われたことで馬体が適度に引き締まり、動きも軽く、脚さばきにも素軽さが戻った印象を受けます。
前走の函館スプリントステークスは6着に敗れましたが、これは馬体重を14キロも減らしたことが影響したもの。今回の追い切りの動きを見る限り、馬体が回復し、状態が上向いていることは明らかです。9歳馬とは思えない、生き生きとした動きが見て取れます。
当レースは過去2年連続で2着、3着と好走している得意の舞台。トレセンでのフォトパドックでも良い雰囲気が伝えられており、追い切りで素軽さが戻ってきたことを考えれば、再び上位争いに食い込む可能性は十分にあります。想定される鞍上は、当馬をよく知る松岡正海騎手。しぶとい先行力という持ち味を、良化した状態で発揮できれば、3年連続の馬券圏内も見えてきます。牡馬・高齢・斤量という割引材料はありますが、追い切りの好内容は、ベテランの健在ぶりを示すものといえるでしょう。
カウスリップ(牝4歳・中舘英二厩舎/津村明秀)
追い切りで最も好印象を与えたのが、この上がり馬です。美浦のウッドチップコースで終い11秒4をマークし、併せ馬に先着する好内容を披露しました。この動きは出走メンバーの中でも出色で、状態の良さと勢いを強く感じさせるものです。
前走の駿風ステークス(新潟芝1000メートル)で3着と、すでに直千で結果を残しているうえに、この絶好の追い切り。父ロードカナロアは直千との相性がよく、母系のスピードも相まって、コース適性は血統的にも裏付けられています。中舘英二厩舎はこのレースを2勝している名門で、仕上げの巧さにも定評があります。
想定される鞍上は津村明秀騎手。55キログラムの軽ハンデ、牝馬、直千実績、そしてこの好調な追い切りと、狙う条件が揃いました。キャリア的にも好相性のゾーンに入っており、追い切りから浮上する有力な穴候補といえます。人気の盲点になるようなら、狙ってみたい一頭。外枠を引くことができれば、上位争いへの期待は一段と高まります。追い切りの動きは、今回の隠れた注目馬であることを物語っています。
デュガ(せん7歳・森秀行厩舎/未定)
逆襲を狙うセン馬は、木曜追い切りで動き軽快、坂路ラスト11秒9をマークしました。森秀行調教師は「前走よりもいい雰囲気」「仕上がりは問題ない」とコメントしており、状態面は前走以上に上向いている様子です。昨年5着の実力馬が、良化した状態で臨みます。
昨年のこのレースでは0秒3差の5着に健闘し、直線競馬への適性の高さを示しました。4走前のタンザナイトステークスでは、しぶとい二枚腰を発揮して逃げ切り勝ちを決めており、勝ち味に遅くないタイプです。追い切りの軽快な動きは、その能力を存分に発揮できる裏付けといえます。
精神面での激しさがあって成績は今ひとつ安定しないところがありますが、それは裏を返せば、気分よく走れたときのパフォーマンスは重賞でも通用するということ。「前走よりもいい雰囲気」という陣営の言葉通り、今回は気持ちの面でも良い状態にあるようです。セン馬という点はこのレースで牝馬に見劣りする材料ですが、昨年5着の実績と良化した追い切りを評価すれば、一発の可能性を秘めた侮れない存在。折り合いと出脚が噛み合えば、上位を脅かします。
まとめ
アイビスサマーダッシュ2026の追い切りを総括すると、連覇を狙うピューロマジックが坂路でさすがのスピード感を見せ、王者らしい万全の仕上がり。松山弘平騎手の右足負傷による田辺裕信騎手への乗り替わりはありましたが、この馬自身の能力に揺るぎはなく、中心的存在であることに変わりはありません。
追い切りで特に評価を上げたのが、美浦ウッドで終い11秒4をマークして併せ馬に先着したカウスリップ。出走メンバー中でも出色の動きで、有力な穴候補として浮上してきました。最終追い切りで坂路ラスト12秒2をマークし「最近の中では最もいい状態」と評されたアメリカンステージ、坂路ラスト11秒9で「前走よりもいい雰囲気」のデュガも、絶好の状態で臨みます。前走の韋駄天ステークスを制したエコロレジーナも好調を持続し、前走からの巻き返しを期すウイングレイテストも坂路で素軽さが戻りました。
このレースは枠順の有利不利が大きく、8枠の好走率が最も高い一方で4枠から内は苦戦傾向。追い切りの好調がそのまま結果に直結するとは限りませんが、状態面の裏付けは重要な判断材料です。好調な追い切りを見せた馬を軸に、牝馬優勢という大原則と枠順を照らし合わせながら、最終的な狙いを絞り込んでいきたい一戦です。
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